お茶の話
- 【1】お茶の淹れ方
- 【2】麦茶の作り方
- 【3】はとむぎ入り麦茶(冷水から)の作り方
- 【4】はとむぎ入り麦茶(温水から)の作り方
- 【5】はとむぎ入り麦茶(温水から)ポットで簡単な作り方
- 【6】水出し煎茶・玄米茶・ほうじ茶の作り方
- 【7】お茶の保存方法
- 【8】古いお茶の活用法
- 【9】緑茶のうまみ
- 【10】緑茶も紅茶も烏龍茶も同じ茶葉!
- 【11】茶の種類
- お茶と健康
- 【1】緑茶の栄養素
- 【2】麦茶と熱中症
- 【3】べにふうきと花粉症
お茶の由来
緑茶・烏龍茶・紅茶は、ツバキ科の常緑樹、チャ木の葉です。
お茶は中国で生まれ、世界中に広まるにつれて不発酵、半発酵、
発酵というように、製法によって緑茶、烏龍茶、紅茶と区別されるようになりました。
日本で愛飲されている茶の渡来については、鎌倉時代といわれています。
お茶の雑学
【1】お茶の淹れ方
水は、軟水がお茶に向いています。水道水を使用される場合は、蓋をとって沸かしてください。十分にお湯を沸騰させるのがポイントです。
(2)お湯
お湯の温度は、熱すぎると渋みが強くなります。
約90度から85度、深蒸し茶はより熱めのお湯で。
(3)茶葉の量
茶葉の量は2~3人分で約5g(ティースプーン1杯)です。お湯を注ぎ、高級煎茶で1分、上級煎茶で40秒、中級煎茶で30秒を目安に急須の蓋をして待ちます。
深蒸し茶は茶葉が開きやすいので短めで。
(4)お茶を注ぐ注ぐときは、全体が均等になるように少しずつ次の茶碗へ分けながら入れます。
2煎目3煎目は、急須にお湯を入れたら待つ必要はありません。すぐに茶椀へ注いでください。
【2】麦茶の作り方
(1)水と麦茶の量
やかんにたっぷり水を入れます。水道水でもOK。
麦茶の量は水1.8リットルに麦茶50gが適量です。
手のひらサイズの容器に麦が平らに広がるぐらいが目安。
(2)麦茶を入れる
麦茶をやかんに入れて、コンロの火をつけます。
お湯を沸かす要領で、約5分ほどそのままお待ちください。
(3)沸騰させる
5分ほどたつと湯が沸くにつれ、麦が踊ってきます。
30秒ほどそのまま沸騰させ、麦がふきこぼれる寸前で火を止めます。
(4)濾す
さましてから荒い目のザルなどで容器に濾し入れます。
※熱いうちに飲んでも香ばしくおいしくいただけます。
【3】はとむぎ入り麦茶(冷水から)の作り方
(1)容器にはとむぎ入り麦茶パックを1個入れ、水1Lを入れます。
そのまま冷蔵庫へ入れてください。
(2)容器全体が冷える頃(2時間ほど)にはおいしい麦茶が出来上がっています。
※パックは入れっぱなしでも問題ありません。
【4】はとむぎ入り麦茶(温水から)の作り方
(1)沸騰したお湯1.5Lにはとむぎ入り麦茶パックを1個入れます。
(2)弱火で約3分間煮出します。
(3)火を止めてからそのままさまします。
※お急ぎの場合は、水をはったボウルにやかんごと浸してください。
(4)容器に入れかえ、冷蔵庫に入れて出来上がりです。
【5】はとむぎ入り麦茶(温水から)ポットで簡単な作り方
忙しい朝や、ドライブ、ハイキングなどに便利です。
ポットにはとむぎ入り麦茶パックを1個入れます。
上から沸騰したお湯を注ぎます。
パックを入れっぱなしにしておくと出来上がりますので、そのままの状態でお持ち歩きください。
【6】水出し煎茶・玄米茶・ほうじ茶の作り方
急須でいれる
1)ティーパックを急須に1個入れます。
2)水を注いで4~5分待ちます。
3)急須を少し揺らしながら、均等に注ぎ分けてください。
冷水ポットでいれる
1)冷茶ポットに水とティーバックを入れます。
水1Lに対してティーバック2個の割合で入れます。
※必ず水を入れてください。
お湯から入れますと、お茶が茶色く変色してきます。
2)マドラー(撹拌棒)で揉みだすようによくかき混ぜます。
ティーバックをマドラーで4~5回軽く押さえつけるようにしますと、鮮やかな緑色の水色に変わります。
3)冷蔵庫に入れて1~2日以内にお召し上がりください。
※水道水でも大丈夫ですが、カルキなどが気になる場合は、やかんで沸騰させてからさました水をご使用ください。
【7】お茶の保存方法
・お茶の大敵は湿気と高温です。
すぐにお使いになるお茶は、茶筒に入れて日蔭の涼しい所に常温保存して、なるべく早く飲みきるようにしてください。
・いただきものなどのお茶がたくさんあってすぐに飲まないような場合は、密封のできるジッパーつきのアルミ袋などに入れて冷凍庫に保管してください。
そうすれば、香りを維持しながら長期保存ができます。
・是非気をつけていただきたいのは、冷凍庫から出してお使いになる時は
必ず常温に戻してから開封するようにしてください。
【8】古いお茶の活用法
賞味期限が切れてしまった古いお茶は、ガーゼなどの通気性のよいものに入れて靴の中に入れておくと、匂い消しになります。
【9】緑茶のうまみ
緑茶のうまみは、タンニンの苦味、渋味、アミノ酸のテアニンというお茶独特の成分が半分以上占めていることで、うま味のバランスが調和しています。
【10】緑茶も紅茶も烏龍茶も同じ茶葉!
緑茶が緑色で烏龍茶や紅茶が褐色をしているのは、加熱処理の違いによるものです。
「荒茶を製造する時」「仕上げ茶として製茶する時」「急須で熱湯を注いだ時」と、3回も茶葉は加熱され、茶色に変色することも考えられます。
それでもきれいな緑色を保っているのは、生葉からすぐに『殺青(さっせい)』という加熱処理をして『酵素』の働きを止めてしまうためです。
殺青を行う過程によって3種類に分けます。
1、緑茶「不発酵茶」・・・生葉をできるかぎり早く加熱して酵素の働きを止める
2、烏龍茶「半発酵茶」・・・ 酸化酵素を少しだけ働かせてから加熱し酵素の働きを止める
3、紅茶「発酵茶」・・・ 酸化酵素を最大限に働かせてから加熱して酵素の働きを止める
殺青(さっせい)
摘み取ったばかりの茶葉を高熱で炒り、熱を加え酸化・発酵を抑える工程です。
また、ある程度進んだ発酵を止める場合にも青殺を行います。 どの程度で殺青を行い、
発酵を止めるかによって変わりそれぞれの味が生まれます。
また発酵の抑制だけでなく、茶葉を加熱することにより臭みが消え、葉が柔らかくなります。
【11】茶の種類
煎茶・・・新芽が出てから摘み取るまで日光をあてて育てたお茶。
鮮度がよく色と香りが楽しめる。
玉露・・・わらをかけて日に当てずに栽培したお茶。渋みがなく甘い。
深蒸し・・・何回も蒸すことで渋みをのぞいたお茶。丸みのある味。
白折れ・・・茶の茎の部分。味がよい。
番茶・・・遅い収穫をしたお茶。
ほうじ茶・・・煎茶や番茶などを強火で焙じて製造したもの。
抹茶・・・碾茶(てんちゃ)を石臼でひいたもの。
お茶と健康
【1】緑茶の栄養素
「朝茶は、三里帰っても飲め」ということわざがあります。
お茶を飲まずにでかけてしまっても、わざわざ戻ってきて飲むほどの価値があるという意味です。
緑茶には健康に役立つ栄養素がたくさん含まれています。
(カテキン)
細胞のサビを防いで成人病を予防する効果があります。
虫歯を防ぐ働きがあります。
(ビタミンC)
風邪や花粉症の免疫力を助けます。
肌荒れを防ぎ、血管や細胞を強化します。
(ビタミンE)
血管の若さを保ちます。
(サポニン)
脂肪を溶かす作用があり、コレステロールが増えるのを防ぎます。
口の中の食べかすを取り除く働きがあり、フラボノイドが口臭を消す作用をします。
(カフェイン)
判断力や記憶力を高めます。
気分転換や疲労回復にも効果的です。
(タンニン)
脂肪の酸化を抑えて、老化防止に役立ちます。
ガンを誘発する細胞の突然変異に対し、その働きを阻止すると言われています。
(ミネラル)
ミネラルの中に含まれる亜鉛が、妊婦の健康の手助けになります。
アルカリ性が、体の酸性への偏りを防いでくれます。
(ガンマ・アミノ酸)
血圧を下げる働きをします。
【2】麦茶と熱中症
大量の汗をかくことで起こる「熱中症」。
体内の水分量が減り血液がドロドロになって熱失神、熱疲労、熱射病などの症状が起こります。
麦茶の焙煎過程でできる「ピラジン」という成分は、単なる水分補給ではなく、血液を効果的にサラサラにできるといわれています。
また、麦茶はノンカフェインなので、胃にやさしく熱帯夜でも安眠を妨げない特徴があります。
麦茶の抗酸化作用は活性酸素を減らすため、脳卒中や心筋梗塞などの予防効果もあります。
【3】べにふうきと花粉症
●紅富貴・べにふうき
「紅富貴」は、昭和40年「べにほまれ」をもとにした高級紅茶用品種として
誕生しました。
紅茶にすると色が濃紅色で香気と滋味に優れていています。
また、ウーロン茶などの半発酵茶にすると、渋味は強いものの香気が高く旨味があります。
けれども、緑茶(煎茶)にすると渋味が強ぎる品種です。
最近、メチル化カテキンが含まれていることで注目され、生産量が極めて少ないため、幻のお茶と言われています。
●メチル化カテキン
緑茶の主要カテキンのエピガロカテキンガレート
(EGCG)の一種でメチル化カテキン(EGCG3Me)と呼ばれるカテキンです。
(独立行政法人 農業技術研究機構 野菜茶業研究所の研究発表より)
メチル化カテキンは、花粉症によるアレルギー症状(鼻水、くしゃみ)などを軽減させることで注目されている成分です。
しかし このメチル化カテキンは「やぶきた」などの品種には存在せず、一部のごく限られた品種にしかありません。
その中でもメチル化カテキンの多さで知られるのが「紅富貴」なのです。
●摂取の仕方
べにふうきは渋みが強く、お茶(煎茶)にはあまり向いていません。
含まれるメチル化カテキンは、茶葉(ティーバッグ)では5分間煮出してやっと約70%お湯に溶け出します。
熱湯に5分蒸らして約50%、1分では約20%とされます。
冷水においては1時間浸してもほとんど溶け出しません。
ですから、茶葉をまるごと摂れるパウダーが飲みやすくおすすめです。